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旧友 つづき

僕らのハマっていたことの一つに、
「バイク」がある。(ここで言うバイクとは、
排気量125cc以上のものを指す)
今ではほとんどみんな乗らなくなってしまったが、僕の友達はバイク乗りだったヤツが結構いて、中には沖縄や北海道まで行ったヤツがいるくらいだ。

チンと僕もバイクをこよなく愛する者である。

一度チンと、バイク乗りたての頃、中禅寺湖までツーリングに行ったのだが、帰りのいろは坂で、
先頭を走っていた僕が、バスを外側から追い越したのだが、後ろを走っていたチンは、タイミング悪くバスがカーブを曲がる時と重なり、バスと山際に挟まれそうになった。なんとか挟まれずに出てきたチンだが、自分の存在をバスの運ちゃんに知らせようと、けたたましくクラクションを鳴らし、エンジンを空ぶかしする様と、余程怖かったのだろう、抜け出して来た時の半ベソの顔を思い出すと、本人には悪いが今でも笑ってしまう。

また、僕はそこにいなかったのだが、チンはバイクで、彼の隣家の壁にかなりのスピードで突っ込み、壁を飛び越えその家の庭に放り出されたのだが、植木か何かの上に落下し、大した怪我もしなかった、といった、悪運の強さも併せ持つヤツでもある。
フロントフォークがグシャグシャになるほどだったといえば、かなりの事故だったことが伺えるだろう。


で、チンはどうか知らないが、
僕は個人的に死を感じた時の話。

あれはどんよりした天気の日だったと思う。どこに行こうとしたのか、何をしようとしていたのかは覚えていない。僕は愛車SR400のケツに、チンを乗せて足利の街を走っていた。
森高千里の歌で有名な「渡良瀬橋」を渡り、信号待ちをしていた時、多分二人同時に異変を感じた。

ガソリン臭い。

しかもかなりの臭気である。しかし周りを見渡しても、異変は感じられない。おかしいなと思いつつ、ふと足元を見ると、原因はそこにあった。

フューエルコックかキャブレターの辺りから、
結構な勢いでガソリンが漏れていたのである。

長くなったので、つづく。

ベテル英数塾

 

 

 

 

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